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kimieさん
ウィッグが便利すぎて、
計6個持ちに。
お手入れ簡単、美容院いらず、
かぶるだけでセット完了!
看護教員として忙しい毎日を過ごしていたkimieさん。54歳で大腸がんが見つかり、再発・転移した後は、抗がん剤治療を続けられています。発病から手術、抗がん剤による脱毛などで経験したこと、その時の想いについてオープンに語ってくださいました。

ご病気がみつかり、がん治療が始まるまでの経緯についてお聞かせください。

2017年3月に大腸がんであることがわかり、翌月に手術を受けました。その時はステージ3bでした。当時は看護教員として働いていたので、健康診断は必ず受けていましたが、検診で異常はありませんでした。疲れが抜けず、ときどきお腹に痛みを感じることもあったのですが、その時はストレスだろうと思っていました。看護教員の仕事をしていたにもかかわらず、検査がこわくて避けていたのです。ただ排便後にトイレットペーパーに血がついているのを見て、これはたいへんと大腸の内視鏡検査を受けました。

大腸がんの手術後に、抗がん剤治療が始まったのですが、体質にまったく合わず、本当は8回受けないといけないのに1回で挫折してしまいました。けれど、半年後に腹膜播種という形で再発・転移してしまい、そこから抗がん剤治療を2週間に1回、現在までに丸5年続けています。
大腸がんと診断されたときは、「がん=死」という想いで頭の中がいっぱいになり、絶望感しかありませんでした。一般的になってきたといっても、がんという病気は自分がなると大きなショックを受けます。がんと最初にわかったときよりも、再発したときの方が「これで、もう再発の心配をしなくてすむ」と、不思議と気持ちがラクになりました。

1度目は合わなかった抗がん剤治療。再開後は、大丈夫だったのでしょうか?

1回目の抗がん剤治療は、吐き気やだるさ、病み上がりのような状態が続き、身体に合わないと感じましたが、再発後の抗がん剤は同じ薬なのに気持ちが変化したのか、前向きに続けることができました。今は吐き気止めの薬も充実しているので、かなり吐き気を抑えることができます。ただ、薬の副作用によって骨髄抑制で血液をつくる細胞が攻撃され、白血球の低下による感染、赤血球の低下による貧血が起こりやすくなります。また、皮膚障害によって、肌の乾燥、発疹、色素沈着で顔にシミ、手が黒くなるといった症状がでました。その対策には、コスメブランドのセミナーで、色素沈着をカバーする化粧品や方法を教えてもらい助かりました。

抗がん剤治療による脱毛はどのような過程であらわれましたか?
また、ウィッグはいつ頃、購入されましたか?

抗がん剤治療による脱毛は、治療後2~3週間位で始まりました。最初の抗がん剤治療は、入院先の薬剤師さんからパンフレットをもらって説明を受けました。脱毛については「抜けますよ」と、かなり言われました。自分でもネットで調べ、脱毛については覚悟ができていたので、毛が抜け始めたときも、ついにきたなという感じでした。

ウィッグの購入は、入院前に地元のお店を何件か回りました。髪型はボブだったので、同じくらいの長さのものを購入し、脱毛前と脱毛後にカットして調整してもらいました。価格は10万円位。最初は高いと思いましたが、毎月白髪染めのために美容院へ行っていたので、それを考えたらその分が浮き、1年で元はとれるとわかりました。しかも、出かけるときにポンとかぶって数秒でセット完了! ブローをしなくてもサラッとまとまっていて、朝セットする必要もありません。最近はおしゃれでつけている人もいるので、ウィッグだと気づかれてもまったく気になりません。ウィッグって本当にラクで、髪を伸ばす手間やきれいに保つケアを考えたら、メリットの方が大きいんじゃないかと思います。

その後、ネットでお手頃なウィッグをいくつか購入し、帽子感覚で着用しています。ウィッグにピンをつけたり、ヘアバンドをしたり、いろいろなヘアアレンジも楽しめます。今ではショート、ボブなど合計6個のウィッグをもっているのですが、安価なものは雨の日やジムに行く日も、気にせず使っています。数を揃えておくと、洗う頻度も少なくなるので、痛みにくくなります。ちょっと心配なのは、風が強い日ですね。ズレるということはほとんどないのですが、乱れたりしないかは気になります。

マリブウィッグさんのウィッグは、軽くて自然な感じがいいですね。人毛もミックスされているから、まるで自分の髪のような雰囲気が出ています。

ブログと、がん患者同士のコミュニティーの場が
沈みがちな私の世界を大きく広げてくれた。

がんを乗り越えるきっかけとなったことがありましたら、教えてください。

がんを乗り越えるきっかけになったことは2つあります。ひとつは、がんになってからこれまでの経過をブログ「がんから始まる/大腸がんステージ4患者の日常 kimieorange.com」に書き始めたことです。がんになると相当なショックを受けますが、そんなにショックを受けなくても大丈夫、今がんは治る時代になっている、ということを伝えたくてブログを書き続けています。

そう思えたのは、もうひとつのがんを乗り越えられるきっかけとなった、特定NPO法人がんサポートコミュニティー(以後、がんサポートコミュニティー)との出会いでした。手術が終わって抗がん剤を1回で止めてしまった時、大きな孤独感を抱え、絶望期の中にいました。仕事も辞めて、再発・転移への不安で落ち込みがちでした。そのときは、どうせ先の人生は短いんだからこのまま誰とも出会わなくていい、静かに生涯をとじようと思っていました。けれど、消せない孤独感に勝てなくて、ネットでがんサポートコミュニティーを見つけました。勇気をもって入会してみると、同じ病気の先輩方がいて、私と同じように抗がん剤治療を続けながらも元気に暮らしている方々がたくさんいました。また支援者の方々のサポートもあり、がんと一人で向き合わなくていいと教えてもらえました。もしこの活動に出会っていなかったら、どうしていただろう、病気で沈んだままだったのではないか、と思います。

入会後は大腸がんのグループと再発・転移グループに入りました。再発・転移と聞くと、暗いイメージがあると思いますが、すごく明るい雰囲気でたいへん励まされました。世界中の僻地を旅する方をはじめ、とても活動的な方々が多く、皆で語り合い、ときにはランチをしているうち、少しずつ世界が広がっていきました。そして、「がんと診断されたとき、あそこまで落ち込まなくても良かったんだ」と、あとで気づきました。

今では、がんサポートコミュニティーの合唱団にも入り、年に1回、素晴らしいステージに立ち、皆で歌う機会をいただいています。ここまで支援してもらえることに感謝の気持ちでいっぱいです。

今の時代、がんは終わりではなく始まり。
どうか一人で悩まないで、
相談できるところはたくさんある。

今、楽しみにしていること、ハマッていることはありますか。

再発転移をした時に私のがんの状態だと一般的には平均で余命2年と言われたので、「2年もある!これは何かしなきゃ!」という気持ちになりました。すでに治療をはじめて5年経っていますが、これまでいろいろなことに挑戦してきました。

もともとスポーツジムでヨガやストレッチをしていたのですが、最近はヒップホップダンスも始めました。最初は出来るのか心配でしたが、勇気をもってやってみたら、意外と楽しめました。

また、ウクレレとギターの教室にも通っています。大好きなギタリストの方がやっている教室で、月に2回憧れの方に音楽を教えていただけ、とても励みになっています。ギターは最初、ミニギターを弾いていましたが、エレキギターに触れる機会があり、そのカッコよさに衝撃を受け、変更しました。ウクレレは、宮古島で行われた息子の結婚式で披露することができました。今は、エレキギターをステージで弾く機会がもてたらいいなと願っています。

同じ治療を始めている方、これから始める方々に応援メッセージをお願いします。

ブログでもお伝えしているように、がんは終わりではなく始まりです。私の場合もまさにそうでした。1回目の抗がん剤治療でギブアップした私が、丸5年で計100回近い抗がん剤治療を受けています。抗がん剤治療を始めたとき、延命治療と言われましたが、そうではなく「今を元気に生きるための治療」だと思っています。

この治療は、副作用があるので辛いものです。相談できるところはたくさんありますので、一人で悩まないでください。私も抗がん剤治療をして辛いときは、このまま終わっていくんじゃないかと弱気になりますが、薬が抜けて元気になってくると、元に戻れること自体が楽しみになってきます。ヨガの先生から「今ここに戻る」という言葉を教えていただきました。過去の後悔や未来の不安にとらわれず、今を生きることが大切だと思います。

抗がん剤で身体が動かないときは、充電期間だと思って何もできなくてもいい、ゆっくりしていい。また来週になったらこれをしようと楽しいことを考え、気持ちを切り替えながら治療を受けられるといいですよね。

今回、このインタビューを受ける機会をいただくことができ、少しでも皆さんのお役に立てると嬉しいです。

kimieさん
kimieさん

元看護教員。大腸がんになった後、再発・転移し、抗がん剤治療を丸5年続けている。発病後、気持ちを立て直すために、認定特定非営利活動法人がんサポートコミュニティーに入会。同じ患者さん達との交流で元気を取り戻し、人生をパワフルに楽しむように。趣味は、ウクレレ、エレキギター、合唱、温泉旅行、ヨガ、ヒップホップと幅広い。同じ病気の方を励ましたいと書き始めたブログは必見!

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